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散歩、運動、部屋の片付け…「行動すれば治る!」行動主義で鬱を治した私の末路

以前うつになった時、私は散歩に出る、運動をする、部屋を片付ける、食生活を正すなどの行動療法を行い、それをブログに書くという行動を続けて、うつから回復しました。

その時は、それでいいと思っていました。自分の力で鬱から回復したことは自信になったし、本当に自分は素晴らしいことを成し遂げたんだと達成感に浸り、とても満足していました。

だけど結局、2年半かけて治した鬱は、たった1ヶ月ほどで再発。

頑張らなくても、家事ができる。普通にお風呂に入れる。普通に外に出かけられる。人に会うのも怖くない。生きてるだけで素晴らしいと思えるあの清々しい日々は、続きませんでした。

うつの間は、普通に生活できるようになりたい。普通に家事ができて、普通に仕事にも行けるようになればそれでいい。

それだけを願っていたのに、結局普通の生活に戻れても、満たされている感じがしたのは、ほんの数週間だけで、すぐに今の自分のままではいけないという焦燥感にかられました。ちゃんと家事もして、毎日お風呂にも入って、仕事もして、せっかく自分が目指していた場所にちゃんと立ったはずなのに何かものたりなくて、もっと行動しなければ、私は変わらなかければと焦っていました。

結局、自分の思い通りにならないことがあったり、嫌な思いをしたり、実家の家族が相変わらず不幸な生活をしていることを知ったり、自分にとってネガティブなことが複合的に起こると、一瞬で鬱の自分に戻ってしまったのです。

しかも幻聴と被害妄想まで始まってしまい、統合失調症かもしれないと思い始めました。

私の家族には統合失調症を発症している者がいて、たぶん私にも遺伝しているし、幼少期から見てきたあの「異常な様子」に絶対になりたくなかった私は人生に絶望しました。

一度は鬱から回復しているんだら、治し方はわかっている。同じことをすればいいだけとはわかっていましたが、また同じ行動を起こす気にはなれませんでした。辛くしんどいからです。

やる気が出ない、意欲の減退、体を動かすのが辛い、決断ができない、外に出るのが怖い、規則正しい生活ができない…それらが鬱の症状なのに、鬱に効果がある方法が運動、散歩、食事や生活習慣を整えることという地獄の矛盾

やる気を出すために運動したいけど、まずその運動をする気になれない。

前回うつから回復するために運動をする気になるために、たしか2年くらいかかった記憶があります。

散歩も最初のほうは、外に出るのが怖くて、正直辛かったです。

外に出れば、人の悪意に触れます。挨拶したのに無視する同じマンションの住人、青信号の横断歩道を渡ろうとすればクラクションを鳴らしてスピードを上げ、歩行者に譲らないタクシー運転手、避けたのにぶつかってくるおっさん。

うつの間は人の悪意に敏感に反応しています。

高いビルを見れば「あの屋上に登れるかな?」

大きな川の橋を渡れば「ここから飛び降りたら死ねるかな?」

赤信号を無視してきた車がいて思わず足が竦んだ時には「今立ち止まらければ、車に轢かれたのに」と後悔。

「このままどうか遠くに行って、行方不明になりたい」

そんなことばっかり考えて散歩していました。ある意味、死に場所を求めて彷徨っているに近かったのかもしれません。

人が怖くて、外に出るのが怖くて、辛くて、苦しくて、泣きながら歩き続けていました。それなのに真夏の昼間に1万歩以上歩き続けて、熱中症になったりもしました。

当時は歩かなければ、散歩をしなくてはいけないという脅迫概念があったように思います。

つまり何が言いたいのかというと、そんな精神状態で散歩に出ても、あまり効果はなかったのだと思います。

良くなっては悪くなるを繰り返していました。私の中でうつを治すことは辛く苦しい経験として心に刻まれました。

 

「自己否定が鬱の最大の敵」という知識を得てからは、徐々に自己否定をやめられるようになり、どんなに出そうと思っても、出なかったやる気が出てきました。

その辺りから、「散歩に出たい」「運動したい」「ブログを書きたい」という意欲が出てきたんだと思います。

そして行動することで、劇的に鬱から回復していきました。

私はこの一連の流れの中で、「行動すること」だけにフォーカスしていました。

「行動すれば鬱は治る」そう思っていました。

でも行動主義だと、行動できなくなった時が辛いのです。

行動し続けていれば、自己肯定感は満たされますが、行動できなくなった時に自己否定がまた始まります。

最初は、「運動をやりたい」「散歩に行きたい」だったのに、

「運動しなきゃ」「散歩に行かなきゃ」になり、

「運動をしなければいけない」「散歩にいけなければいけない」と脅迫概念に変わっていく。

行動したほうがいいとわかっているのに、できない自分に失望して、怒り、自己否定してしまう。

元の黙阿弥。鬱再発です。

 

本当に大事だったのは、「運動をしたい」「散歩したい」「ブログを書きたい」という私の気持ちの方だったのです。

「やりたい」と思ったから行動する。この気持ちと行動の整合性がとれていることが大切なんです。

少しでも「やりたくない」「行きたくない」という時は、やらない。

「やらなくていい」「行かなくていい」と自分を許すことが大切だった。

「やりたい」でも「やりたくない」どっちでもいいんです。

今の自分の気持ちに寄り添って、気持ちにあった行動を起こすことが大切だったんです。

「運動をやりたいから、する」←◎グッド

「運動をやりたくないけど、がんばってする」←たまになら○。ちょっと体を動かすとやる気が出るのは事実。 だけどいつも「やりたくない」と思うならやめた方がいい。だんだん負担になり、徐々に心が壊れていく。

「運動をやりたいけど、やらない」←△やりたいことがあるのに、やらないでいると我慢するクセがつく。「自分さえ我慢すればいい」という思いはいつか爆発し、心が病んでしまう。

「運動をしたくないから、今はやらない」←◎グッド。やらないことを自分で選択する。そしてその選択を責めない。

自分が選んだ選択は、どんな選択でも今の自分にとってすべて正しい。やっとこの意味がわかりました。

あなたが仕事を辞めるという選択をしたことも、仕事を休職するという選択をしたことも、途中で投げ出したことも、あの場所から逃げ出したことも、あなたのあの時のあの行動はちゃんと正しかった。

あれは、自分の心と自分の命を守るためのあなたにとって正しい決断だったんです。

そしてもし今、辛くて、苦しいと思っているのなら、ネガティブなことでも自分の気持ちに寄り添った選択をしてください。

お風呂に入りたくないときは、今はお風呂に入らないことを自分で選択します。今はお風呂に入らなくていいよと自分に許可します。

「私はお風呂に入ってもいいし、入らなくてもいい。私はどちらでも選択できるし、どちらを選んでも正しい。だから今はお風呂に入らないと決めた」と心の中で唱えてください。

 

家事をしたくない時は、今は家事をしないことを自分で選択します。「ソファにゆっくり座っていてスマホゲームしてていいよ」と自分に許可します。

「私は家事をしてもいいし、しなくてもいい。私はどちらでも選択することができる。だから今はゆっくり休むと決めた」と心の中で唱えてください。

やりたくない時に「しなくていい」と自分を許してあげると、その次の日には自然とやりたいと思えて勝手に体が動いていることに気がつきました。

そんな甘えたやり方はダメに決まっている。そんな悠長な、呑気なことしていられない「早く鬱を治したい」、「早く元の自分に戻りたい」と焦るかもしれませんが、その焦燥感で私は失敗し、結果的に鬱を治すのに長い時間がかかり、何度も再発してしまいました。

 

自分の中でうまくまとめられずに、話が錯綜してしまったのですが、まとめると

いくら散歩や運動だけしても鬱は治らない。「行動」だけでは鬱は再発する。

何度も言いますが、運動、散歩、生活習慣を整えるなどの行動は、うつ回復に効果的です。

でも自分の気持ちをないがしろにせず、今の自分の気持ちを尊重することのほうが大切です。

行動主義ではなく、「散歩に行きたくない」という気持ちがあるのなら、今の自分の感情を何よりも大切にして、心地よく生きること。

周りの人や出来事に振り回されずに、自分軸で心地良く心穏やかに暮らしていくためにはどうしたらいいのか、意識し続けること。

毎日ご機嫌に暮らしていくためにどうしたらいいのかを日々研究していきたいと思っています。

 

 

kamome38

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Kamome

毒親育ちのアダルトチルドレン。鬱になり、約2年半の引きこもり後、なんとか回復するも、また再発。何度も鬱再発を繰り返す自分と向き合い、本気で自分を変えたアラフォー主婦。行動主義でしたが、行動を変えるだけは「人は簡単には変われない」と実感。変わるためには自分自身の本質的な部分を変える必要があったことに気がつきました。一番大切なのは自分の気持ち。「どんな風に生きたいのか」「どんな人になりたいのか」自分の中の潜在意識を変え、「無意識に幸せな人生を選択できるように」私は生まれ変わりました。 Read More

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